最近、「煽り運転」などの危険な運転がニュースなどでも話題になっています。
高速道路や一般道などで、後ろから車間距離を詰めてきたりクラクションを鳴らしたりする「煽り運転」は、大きな事故にもつながる危険な行為…。
もし自分がターゲットになったとき、どう対処すれば良いかご紹介します。
目次
「煽り運転」・「危険運転」とは?
「煽り(あおり)運転」・「危険運転」とは、路上を走る他の車に対して下記のような嫌がらせをする運転のことをいいます。
- 前を走る車に車間距離を詰めて近寄る
- クラクションやハイビームなどで後ろから威嚇する
- 猛スピードで追いかける
- 無理な割り込みや進路変更
高速道路だけでなく、日常走る一般道でもこれらのような危険な運転をするドライバーは見かけますよね。
筆者自身も交通量の多くない片側一車線の国道を走っているとき、すごいスピードで追いついてきた後続車に車線をはみ出る勢いで煽られ、恐ろしい思いをしたことがあります。
後ろにぴったり貼りつかれる行為だけでなく、車間距離がないのに無理やり車線変更してくる割り込みや、必要以上に横から車体を近づけてくる幅寄せなども「危険運転」です。
これらマナーやルールを無視した運転は、走行の妨害になるだけでなく1歩間違えると最悪の事故を招く恐れもあるとても危険な行為。
そして、煽られた車のドライバーは冷静に運転ができなくなり、他の車に対しても影響が出ます。
スピードの出た自動車は間違った使い方次第で凶器になります、「煽り運転」はハンドルを握る人間が絶対にやってはいけない行為です。
煽り運転行為には罰則がある
まず、「煽り運転」などの危険運転は明確な法律違反です。
前方を走る車に安全な車間距離を取らずに接近する運転は、道路交通法26条で禁止されている『車間距離不保持』になります。
高速道路での車間距離不保持は3か月以下の懲役または5万円以下の罰金が科され、一般道の場合は5万円以下の罰金。反則金は、高速道路なら9,000円、一般道なら6,000円となり、それぞれ違反点数として高速道路が2点、一般道は1点引かれることになります。
- 高速道路:3か月以下の懲役または5万円以下の罰金/違反点数2点/反則金9,000円
- 一般道:5万円以下の罰金/違反点数1点/反則金6,000円
車間距離不保持が原因で死傷させた場合
さらに、「煽り運転」(危険運転)によって追突や衝突などの事故を起こし、相手が死亡、または怪我を負った場合は『危険運転致死傷罪』となり、以下の罰則が科せられます。
- 相手が負傷:15年以下の懲役
- 相手が死亡:1年以上の有期懲役
負傷であっても15年以下の懲役というのは、非常に重い罰則ですし、事故を起こした側もここまで重い罪だと知っている人はほとんどいないのが現状です。
何の意味もない、誰も得をすることのない「煽り運転」。軽い気持ちでやれるものではないことを、しっかりと考えたいですね。
「煽り運転防止」にはドライブレコーダーが効果的
煽り運転被害からのトラブルを最小限に防ぐ手段として『ドライブレコーダー』が効果的です。
ドライブレコーダーとは、広角レンズの付いたカメラを車のフロントガラスやリアガラスに取り付け、前後を走る車の様子をSDカードなどに録画する、「車用の防犯カメラ」。
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走っている間は常に録画するものと、急ブレーキなど車に衝撃があるとセンサーが反応して録画を始めるものとあります。
ドライブレコーダーがあると、万が一「煽り運転」で事故に遭ったときに重要な証拠になります。
ドライブレコーダーで録画していることでトラブル防止にも
また、「ドライブレコーダー録画中」などのステッカーを貼ることで「煽り運転」をしようとするドライバーへの警告にもなり、不要な危険を避けることができます。
東名の事故報道から煽り運転を仕掛けて来るDQNドライバーと遭遇したらどうするか、というのが話題になっていますが、半年ほど前にドライブレコーダーのおかげでトラブルを回避できた事例があったのでどうぞご覧ください。 pic.twitter.com/uyvWvJdXNY
— Shinya Kuramoto (@GRAVIZAAVA) 2017年10月17日
「煽り運転」だけでなく、自ら車体に体を当てて治療費や慰謝料を請求してくる悪質な「当たり屋」や、歩行者の飛び出し事故などのときも、事故の正確な状況を伝えるものとして有効です。
最近では、180℃以上レンズが動くものやGPSに対応したものなど高機能なドライブレコーダーや、手持ちのスマートフォンがドライブレコーダーになるドライブレコーダーアプリまで登場しています。
また、後続車に「ドライブレコーダーで録画してるよ」と知らせるステッカーなども。これら自分の環境に合わせ身を守る手段として設置を考えたいですね。
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「煽り・危険運転」のターゲットにされたときの対処法
「相手にしない・無視する」のが一番安全
まず、後ろの車に煽られたときは相手にしないのが鉄則です。
加速してその場を離れようとしたり、逆に急ブレーキをかけたりすると、余計に向こうの気持ちを逆撫でることになり、さらに危険な行為に及ぶ可能性があります。
また、ミラーばかり気にして自分の運転に集中できなくなると、追突や歩行者を轢くなどの事故を引き起こす可能性も。
煽られてるなと感じてもムキにならず無視するなど全てにおいて冷静に対処しましょう。
避けられるときは安全に道を譲る
パッシングやクラクションなどで運転に支障が出るなら安全な路肩に車を寄せるなどして道を譲りましょう。
悪質なドライバーは、自分の煽りに反応しないとなると、さらに嫌がらせを増してくることがあります。高速道路であれば追い越し車線を譲ればすぐに抜かしていくので不快な時間は過ぎ去れります。
相手にしていなくても自分がまともに運転できないと思ったら、不要な事故を避けるためにもさっさと譲ってしまうことが賢明です。
悪質な停車をさせられても絶対に車外に出ない
もし、悪質なドライバーに絡まれ無理やり道路上に車を停められて停車せざるを得ないときでも絶対に車外に出るのは避けましょう。
お互いに気が立っているためすぐ暴力に発展する恐れがありますし、何より後続車の車に跳ねられるなどの重大な事故につながりかねません。
道路を塞がれても冷静に窓やドアはロックをかけて開けられないようにします。
窓ガラスを割られるのでは・・・と思いますが、実際に車の窓ガラスは普通の人間が拳で叩く程度では割れません。せいぜい車を蹴られて傷が付くぐらいで済みます、命の方が大事です。
安全を確認したらすぐに110番する
開けられないことを確認したらすぐ警察に連絡します。
煽りなど危険な運転を繰り返し、さらに車外に出てくるような相手にはまずまともな会話や話は通じません。悪質なドライバーはただ自分の気を晴らすことだけが目的となり、この状況が危険とは一切考えていない場合がほとんど。
自分や家族の身を危険にさらさず車を盾にして冷静に警察へ「煽り運転」によるトラブルに巻き込まれていること、停車している場所や現在の状況を説明して警官の到着を待ちましょう。
相手との会話一切せず警察の到着を待つ
警察を待っている間、向こうが窓ガラスを叩いてきたり、車体を蹴るなど威嚇してくるかもしれませんがひたすら無視します。
「すみません」などと謝ってしまうとさらに行動が悪化する可能性があります。
一切の会話をする必要はありません。悪質なドライバーは深く考えて行動しているわけではないので「警察沙汰になる」と分かると立ち去ることがほとんどです。
この際、ドライブレコーダーがあれば相手の顔や車種・ナンバーや実際の危険運転の証拠を警察に提出することができます。
ベストカー編集部の分かりやすい一連のツイート
煽り運転に代表される危険運転行為は道交法違反です。相手を事故・死傷などに追いやった場合は危険運転致死傷罪が適用され最長で20年以下の懲役に処される可能性があります。また、安全な車間距離を取らずに前車に接近する行為は、道路交通法26条が禁止する「車間距離不保持」に該当します。(続
— 『ベストカー』編集部 (@bestcarmagazine) 2017年10月11日
高速道路での車間距離不保持は3か月以下の懲役または5万円以下の罰金が科され、一般道での車間距離不保持については、5万円以下の罰金が科されます。違法行為に遭遇した場合は落ち着いて速やかに距離を取り、安全な場所に停車するなどして警察へ通報しましょう。(続
— 『ベストカー』編集部 (@bestcarmagazine) 2017年10月11日
もし相手が車外に出てきて挑発してきたり、脅迫行為や車両への暴行を加えてきた場合は、決して車外に出て交渉しようとせず、ドアをロックしてその場で警察へ通報することを強くお勧めします。自動車のガラスは(外からだと特に)なかなか割れません。素手ではまず困難なので落ち着いて連絡しましょう。
— 『ベストカー』編集部 (@bestcarmagazine) 2017年10月11日
まとめ
「煽り運転」は、普通に運転していても遭遇するものです。
もし嫌がらせを受けたら、速やかに安全な場所に停車し警察に連絡することを頭に入れて自ら相手にするのは絶対に避けましょう。
自動車は安全に人を運んでくれる一方で使い方を間違えば命を奪う凶器にもなります。
何より守るべきなのは命であることを忘れずに冷静な対応を心がけたいですね。