レンタカーやカーシェアリングの車に付けられるのが「わ」ナンバーです。
一般的に「わ」ナンバーというとレンタカーを思い浮かべる人もいるかと思いますが、そもそも「わ」ナンバーとは何のためにあるのでしょうか。
「わ」以外に種類はないのか、カーシェアリングやカーリースでも「わ」ナンバーになるのか、など車の「わ」ナンバーにまつわる疑問にお答えします。
目次
ナンバープレートにあるひらがなの意味とは?
車には必ずナンバープレートがあり、1台ずつ違う数字が付いていますよね。
ナンバープレートに記載されている数字やひらがなには、全て「その車がどんなものか」が一目でわかるように意味が込められています。
上から見ていくと、
- 県名
- 分類番号
- ひらがな1文字
- 一連指定番号
の順番に記載されていて、たとえば東京都の品川区に住所があり、排気量が1,000ccの車を自家用として購入(登録)した場合は「品川 589 さ 21-34」のようなナンバーになります。
この「さ」の部分はどうやって決まるのでしょうか?
自家用か事業用かで区別される
ナンバープレートにある1文字のひらがなは、自家用で使う車か自家用で使う車かを区別するために使われているものです。
- 一般的な自家用車・・・さ・す・せ・そ・た・ち・つ・て・と・な・に・ぬ・ね・の・は・ひ・ふ・ほ・ま・み・む・め・も・や・ゆ・ら・り・る・ろ
- 一般的な事業用区車・・・あ・い・う・え・か・き・く・け・こ・を
- 一般的な自家用賃渡用・・・わ・れ
ほかにも、軍人用の車両などにはアルファベットが使われて います。
乗用車は「白地に緑の字」のナンバープレートが用意され、軽自動車は「黄色地に黒の字」のものが、さらに事業用の車の場合は「黒字に黄の字」のものが使われています。
- 一般的な自家用車・・・あ・い・う・え・か・き・く・け・こ・さ・す・せ・そ・た・ち・つ・て・と・な・に・ぬ・ね・の・は・ひ・ふ・ほ・ま・み・む・め・も・や・ゆ・よ・ら・る・を
- 一般的な事業用区車・・・り・れ
- 一般的な貸渡用・・・わ
「わ」は「事業として貸し出すための車」に使われる
この中で、「わ」ナンバーは貸渡用、つまり「事業として他人に貸し出すための車」に使われます。
自家用で車を取得しても「わ」ナンバーが与えられないのはこれが理由です。「わ」ナンバーにしてほしいとお願いしても、自家用である限りできません。
乗用車でも軽自動車でも、たとえばレンタカーを借りた場合は「わ」か「れ」のものになります。
一目でどんな車かがわからなければいけないので、ひらがなの部分にもしっかり意味があるのですね。
レンタカーには「わ」以外のひらがなもある
近年まで、レンタカーといえば「わ」ナンバーになるのが一般的でした。
最近になってレンタカーとして登録する車が増えたことで、「わ」が足りなくなり、沖縄県や北海道では「れ」が使われています。
また北海道では、ほかの地域と違い最初は「れ」が使われていましたが、区別をなくすために「わ」に変更になり、それが枯渇してきたことにより「れ」に戻ったという話があります。
ちなみに、「れ」はレンタカーの「れ」として用いられているわけではなく、あくまで「事業として他人に貸し出すための車」に与えるものと考えられています。
使ってはいけないひらがながあるのは本当なのか?
用途を区別するための役割となるひらがなですが、使ってはいけないものが存在します。
- 「お」:似た字形の「あ」「す」「む」との読み誤りを避けるため。「お」の代用に「を」を用いる。
- 「し」:「死」を連想させる。
- 「へ」:「屁」を連想させる。
- 「ん」:ほかの平仮名と比べ、発音がしづらい。
- 「ゐ」「ゑ」:歴史的仮名遣である。
引用:Wikipedia
紛らわしいもの、発音がしづらいものなどは避けられますが……こんな部分に注目するなんて、発想が日本人的ですね。
「わ」ナンバーが使われる車はレンタカーだけではない?
カーシェアリングで乗る車も「わ」ナンバーになる
「わ」は、「事業として他人に貸し出すための車」に与えられるものなので主に、レンタカーやカーシェアリングで使う車が該当します。
- レンタカー・・・店舗に出向き、乗りたい車を時間や日数単位で借りる
- カーシェアリング・・・特定の駐車場に停めてある車を時間や日数単位で借りる
どちらも「お金をはらって車を借りる」サービスですが、昔からあるレンタカーに加え、近年ではカーシェアリングが登場しました。
使いたい時にお店に足を運び、登録して車を借りるレンタカーと違い、ウェブなどから簡単に登録ができて乗りたいときにすぐ近くのパーキングにある車の予約ができるカーシェアリングは、車を使う頻度は低いけど、乗りたいときだけ気軽に使いたいという人に最適なサービス。
こちらは、車を複数の人間で使う(シェアする)ことで料金もずっと安く、また使う時間も15分単位からと細かく指定できるので、レンタカーより使い勝手が良いと都心を中心に人気が広がっています。
カーシェアリングで借りたベンツも「わ」ナンバー
カーシェアリングサービスの魅力は、安く気軽に車を使えることだけでなく、サービス会社が用意しているさまざまな種類の車に乗れること。
「憧れだけど高くて手が出せない高級車」や「大人数でキャンプに行くために必要な大型ワゴン車」など、目的に合わせて車を選べます。
カーシェアリングサービスに登録してある車はすべて「わ」ナンバーになるので、高級外車の代表であるメルセデス・ベンツであっても同じく「わ」のあるナンバープレートになります。
国産車、輸入車に関わらず、「事業として他人に貸し出すための車」はすべて「わ」になるのですね。
カーリースも「わ」ナンバーになるのか?
一方で、カーリースは「わ」ナンバーにはなりません。
- 5年や9年など、1台を長期の契約で自家用や事業用として借りるサービス。
- 期間が終了するときは、残価を払って自分のものにできたり新しく借り換えたりすることができる。
主に短期間の使用を目的とするレンタカーやカーシェアリングと違い、カーリースは年単位の長い期間で車を借りられるサービスです。
カーリースで乗る車は、所有者はリース会社になりますが、使用者は借りた人の氏名が車検証に記載されます。
「借りる」より「購入」に近い形となるので、ナンバープレートのひらがなも「わ」ではなく一般的なものが与えられると考えられます。
ちなみに、カーリースでは一連指定番号(「○○ー○○」の部分)を自分の好きなものに変更することも可能です。
申し込みは抽選となり、希望する数字がすでに使われている場合は使用できませんが、ナンバープレートに関してはある程度一般的な自家用や事業用と変わらない扱いになるのがカーリースなのですね。
まとめ
「わ」ナンバーについてご紹介しましたが、まとめると以下のようになります。
- ナンバープレートのひらがなの部分は用途の目的で決められる
- 「わ」ナンバーは「事業として他人に貸し出すための車」に与えられる
- レンタカーだけでなくカーシェアリングで使う車も「わ」ナンバーになる
- カーリースは「わ」ではなく一般的な自家用や事業用としてのひらがなが与えられる
「わ」ナンバーというと何となくレンタカーを思い浮かべることが多いと思いますが、そもそも「事業として他人に貸し出すための車」に与えられるものです。
そのため、近年ではレンタカーだけでなくカーシェアリングサービスで使われる車 にも「わ」ナンバーが用いられています。
対して、同じ借りるのが目的でもカーリースは長期の使用が前提となるため、「わ」ナンバーにはなりません。
自家用で乗る車には使えない「わ」ナンバーですが、ナンバープレートはその車がどんなものであるかが一目でわかる仕組みになっているのですね。