マツダの中でも特に人気があるSUVが『CX-3』と『CX-5』の2車種です。
同じメーカー・シリーズだからこそ、1番比較して「どちらを選べば良いのか?」と悩む車種といえる2台。
そこで、このMAZDA『CX-3』と『CX-5』を比較して購入検討時の参考となる『オススメの選び方』をご紹介します。
目次
「CX-3」と「CX-5」それぞれの特徴とは?
マツダの「CX-3」と「CX-5」は、どちらもクロスオーバーSUVです。
コンパクトカーなど既存の乗用車をSUVのように仕立てたクロスオーバー車は人気が高いですが、中でもマツダのCXシリーズは国内で唯一燃費の良いディーゼルエンジン車をラインナップしていることもあり、発売当時からずっと高い人気を誇っています。
CXシリーズはどれも外観が似ており、排気量などもクラスが変わらないので「どう違うの?」と悩むかもしれませんが、「CX-3」と「CX-5」の分かりやすい違いは「室内の広さ」と「載せているエンジン」。
街乗りが主で、コンパクトなSUV車に乗りたい人向けに販売されているのが「CX-3」、ミドルサイズの大きなSUV車に乗りたくて、レジャーや遠出などもしっかり楽しみたい人には「CX-5」が向いています。
それぞれの違いを挙げてみます。
「CX-3」ってどんな車?
CXシリーズの中でも一番サイズが小さく、また価格帯も手が出しやすいのが「CX-3」です。
エントリーモデルとして用意された「CX-3」は、コンパクトなサイズでありながら「CX-5」や「CX-8」と落差のないスタイリッシュな外観、どこに座っても快適さを保証するインテリアにマツダ最新の安全性能を備え、決して見劣りすることのない1台に仕上がっています。
マツダが得意とするディーゼルエンジンモデルももちろん用意されており、マイナーチェンジのたびに性能はより進化。ガソリンエンジンより燃費が良く、また低速でも伸びやかに加速するディーゼルエンジンは、街乗りが多く燃費の良さを重視する人には最適だといえるでしょう。
「CX-3」のボディサイズは「全長4,275mm×車幅1,765mm×車高1,550mm」。ホンダの「ヴェゼル」やトヨタの「C-HR」に近く比較されやすいサイズです。
また2018年5月のマイナーチェンジで、エンジンの排気量は1.5Lから2Lになりました。
ちなみにコンパクトな印象ですが、CX-3は「3ナンバー」となります。
3ナンバーと聞くと「大きくて乗りにくそう」と感じるかもしれませんが、「CX-3」の大きな特徴は車高が1,550mmであること。
街にある立体駐車場の一般的な高さ制限に収まっているので、どこでも気軽に持っていけるのは街乗りが多い人には助かるサイズ感といえますね。
ただ、コンパクトなぶん室内は「CX-5」より狭く、ラゲッジスペースも容量が少ないのが難点。
載せる荷物が少ない、または乗る人数がふたりだけなど、少人数の家庭にとっては乗りやすいSUV車だといえます。
「CX-5」ってどんな車?
CX-3より大きな車格と、走りの力強さにこだわっているのが「CX-5」です。
人間工学に基づいた着座姿勢から開発された、ブレが少なく安定したポジションを保って運転できるシートや、キーのスイッチ操作で簡単に開くことができるパワーリフトゲートなど、装備も充実しています。
また、「CX-5」は2017年度前期自動車アセスメント評価結果において、最高ランクである「ASV+++」を獲得。
マツダが誇る安全性能「i-ACTIVSENSE」は「CX-3」にも搭載されていますが、こちらはさらに360℃あらゆる角度から危険を察知してドライバーに伝える「360°ビュー・モニター」をオプションで装備することが可能。
「CX-3」と同じく、エンジンにはディーゼル車もラインナップ。「CX-5」には2017年12月に発売された「CX-8」と同じものが搭載され、よりパワフルでスムーズな加速を楽しめます。
「CX-5」のボディサイズは「全長4,545mm×車幅 1,840mm×車高 1,690mm」と、「CX-3」より一回り大きくなります。
車格としては、トヨタの「ハリアー」や日産の「エクストレイル」とほぼ同じクラスと考えて良いでしょう。
総排気量は約2.000cc(ディーゼルエンジン車は2.188cc)と「CX-3」と同じですが、エンジンに関してはマツダのコンセプトである「人馬一体」がより追求されており、エンジンでシャシー性能を高めるという新発想と人間中心の開発思想に基づいて開発された、「G-ベクタリング コントロール(GVC)」がガソリンエンジン車には採用されたことで、ガソリンエンジンでもよりパワフルな走りが期待できます。
走行性を重視するなら「CX-5」のほうがストレスのない運転を楽しめるといえるでしょう。
CX-3とCX-5のエクステリア比較
どちらにも使われている「匠塗 TAKUMINURI」
外観では、どちらもマツダが開発した塗装技術「匠塗 TAKUMINURI」が一部のカラー(ソウルレッドクリスタルメタリック・マシーングレープレミアムメタリック)で使われています。
カラーのベースからトップまで、3層をウェットな状態のまま回転させながら塗りつけ、1回の焼付乾燥で仕上げるこの技術は、より鮮やかでありながら濁りのない美しい発色を可能にし、濡れたような輝きを放ちます。
ボディデザインの違い
「CX-3」も「CX-5」も、流れるような流線形のフォルムと無駄のないリアのスタイルは共通していますが、「CX-5」はフロントグリルに繊細なメッシュを採用、フォグランプも下部に横長に配置したことでよりスタイリッシュな印象があります。
一方、「CX-3」はライトの形こそほとんど変わらないものの、フォグランプは大きめで縦長の配置。スッキリとしたフロントフェイスにも力強さを感じるデザインとなっています。
CX-3とCX-5のインテリア比較
「10Wayパワーシート&シートメモリー」はどちらにも搭載
メーカオプションにはなりますが、ドライバーごとに最適なシートポジションを記憶してくれる「10Wayパワーシート&シートメモリー」はどちらのシートにも搭載されています。
夫から妻へなど、運転する人が変わってもその人に合わせた位置にいつでも設定できるので、その都度背もたれなどを自分で動かす必要がありません。
シートについては、「CX-3」は高減衰ウレタンを採用。ゆったり座っても運転中の嫌な振動を抑えてくれます。
「CX-5」では、背もたれや腰の部分など人間の体に合わせて剛性を高めた作りでウレタンの特性を活かしています。
「マツダコネクト」や専用の音響システムも共通
Bluetooth対応のスマートフォンをつないで、ハンズフリーで通話ができたり中に保存してある曲を流したり、また燃費の情報なども一目で教えてくれる「マツダ コネクト」は、どちらにも標準で装備されています。
音響の老舗ブランド「Bose」とタッグを組んで作ったスピーカーなど専用のシステムがそれぞれ用意されているのも共通です。
パワーリフトゲート、アクティブ・ドライビング・ディスプレイは「CX-5」のみ
「CX-3」と「CX-5」の大きな違いでは、「CX-5」のみパワーリフトゲートがオプションで選べます。
アドバンストキーのスイッチで簡単に開閉ができるパワーリフトゲートは、開く角度も自由コントロールできる優れもの。タッチセンサーがあるので指などの挟み込みもしっかり防止します。
そのほか、「CX-5」ではリアシートのリクライニングも可能なほか、リアシートはヒーター付きで温度も3段階から選べるなど、インテリアは「CX-5」の方が充実している印象です。
ですが、「CX-3」にもフルオートエアコンやオートライトシステム、雨の状況に応じて自動でワイパーを調節してくれるレインワイパーセンサーなどがしっかり装備。
一方でフロントガラスに車速や交通標識認識を投影して、運転に集中できる「アクティブ・ドライビング・ディスプレイ」も「CX-5」のみとなっています。
スイッチ操作だけで簡単にパーキングブレーキがかけられる「電動パーキングブレーキ」や、停車中にブレーキペダルから足を離しても停止状態を維持してくれる「オートホールド」機能は、どちらにも標準で搭載されています。
CX-3とCX-5エンジンと燃費の違い
「CX-3」と「CX-5」には、それぞれ『ガソリンエンジン車』と『ディーゼルエンジン車』の2種類が用意されています。
「環境に悪い」と敬遠されがちな軽油ですがマツダは研究を重ね、現行する排ガス規制にもしっかり対応するクリーンで燃費の良いディーゼルエンジンを開発しました。
高回転での吹け上がりはガソリンエンジンに劣るものの、低速でもしっかり加速してくれるトルクの力強さ、また燃費の良さはディーゼルエンジンならではの特徴だといえます。
一方で、ガソリンエンジンでは世界一の高圧縮比(14.0)を達成し、燃費と低中速トルクの増大による運転のしやすさが大きな特徴。
圧縮比を高めたことにより、低速や中速でも効率よくエンジンが動き、高回転になってもスムーズでストレスのない走りを楽しめます。
「CX-3」のエンジンと燃費
CX-3 ガソリン車の燃費(WLTCモード) | |
---|---|
駆動方式 | 排気量2.0L |
FF | 16.0~16.2km/L |
4WD | 15.2km/L |
CX-3 ディーゼル車の燃費(WLTCモード) | |
駆動方式 | 排気量1.8L |
FF | 20.0~23.2km/L |
4WD | 19.0~21.2km/L |
「CX-3」のガソリン・ディーゼル、それぞれの最大の特徴は車体の軽さからくる燃費の良さ。
「CX-5」と総排気量こそ変わりませんが、よりコンパクトで軽量な「CX-3」なら通勤や買い物だけでなくロングドライブもしっかり楽しめますね。
「CX-5」のエンジンと燃費
CX-5 ガソリン車の燃費(WLTCモード) | |
---|---|
駆動方式 | 排気量2.0L/2.5L |
FF | 13.8~14.6km/L |
4WD | 13.0km/L |
CX-5 ディーゼル車の燃費(WLTCモード) | |
駆動方式 | 排気量2.2L |
FF | 17.4km/L |
4WD | 16.6km/L |
「CX-3」に比べると大きく重い車体のためどうしても燃費は下がるものの、「CX-5」は「CX-8」と同じディーゼルエンジンが搭載されているなど、走行性能の良さではこちらに軍配が上がります。
特に、長時間高速道路を走るときなどは、加速の力強さや疲れ知らずの伸びやかさは「CX-5」の方が体感しやすく、家族とたくさんの荷物を積んでの旅行や帰省でもストレスなく走れるといえます。
ミドルサイズのSUVとして、サイズと排気量に見合った走りを実現してくれるのが「CX-5」です。
『CX-3』と『CX-5』それぞれの価格比較
それぞれ、エントリーモデルと呼ばれるベースグレードを挙げました。
「CX-3」と「CX-5」の価格 | |
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CX-3 20S(ガソリン車) | 2WD: ¥2,127,600(税込)(6AT&6MT) 4WD: ¥2,353,600(税込)(6AT) |
CX-3 XD(ディーゼル車) | 2WD: ¥2,436,480(税込)(6AT&6MT) 4WD: ¥2,662,480(税込)(6AT) |
CX-5 20S/25S(ガソリン車) | 2WD: ¥2,494,800(税込)(6AT) 4WD: ¥2,721,600(税込)(6AT) |
CX-5 XD(ディーゼル車) | 2WD: ¥2,808,000(税込)(6AT) 4WD: ¥3,034,800(税込)(6AT) |
『CX-3』は、オートマチックとマニュアルミッションが2WD・4WDどちらにも用意されており、どちらを選択しても価格は変わりません。
『CX-5』はガソリン車のほうに2リッターと2.5リッターがあり、2.5リッターは4WDのみがラインナップされています。
またCX-5のディーゼルエンジン車は2.2リッターのみ、載せているエンジンは「SKYACTIV-D 2.2」に対し、「CX-3」では「SKYACTIV-D 1.8」のラインアップ。
総排気量が同じですが、大きな車体や充実の装備・車格に合わせたエンジンなどを含めて「CX-5」の方が高い価格設定となっています。
『CX-3』『CX-5』それぞれ維持費の違いを比較
1年間の維持費 | |
---|---|
CX-3 20Sの場合(ガソリン車) | 約65,000円 |
CX-3 XDの場合(ディーゼル車) | 約55,900円 |
CX-5 20Sの場合(ガソリン車) | 約60,000円 |
CX-5 25Sの場合(ガソリン車) | 約65,500円 |
CX-5 XDの場合(ディーゼ車) | 約65,500円 |
※ 合計には、自動車税+重量税+自賠責保険が含まれています |
自動車を購入すると最低限支払う必要がある、『自動車税・重量税・自賠責保険』の合計金額で比較してみました。
CX-3とCX-5にはそれぞれ「エコカー減税」と「クリーンディーゼル補助金」が適用されるグレードがあるので、新車で購入する際は担当者にしっかりと確認することをオススメします。
また「CX-3」のみ、ガソリン車には「エコカー減税」がすべてのグレードで適用されないのが残念ですが、どちらもディーゼルエンジン車には「クリーンディーゼル補助金」があるのは嬉しいですね。
このほかにも、任意保険に加入するならその分の保険料、日々の維持費ではガソリン(軽油)代や駐車場代、2年に1回受ける必要がある車検代金などが加わる形となります。
『CX-3』・『CX-5』それぞれオススメの選び方
4人家族で通勤・レジャーにも使うなら『CX-5』
CX-3とCX-5は、どちらも定員5名なので4人なら問題ありません。
ですが、4人全員が乗って海や山などのレジャーにも行きたいとなると、荷室の広さとエンジンの性能の高い『CX-5』が魅力的です。
ラゲッジスペースの容量では、サブトランクも含めると505Lにもなる「CX-5」(「CX-3」は最大容量350L)のほうが断然荷物が積みやすく、また重たくなっても十分な加速が期待でき、高速道路の走行も余裕でこなせるといえます。
毎日の買い物など日常使いがメインなら『CX-3』
どちらも3ナンバーのCX-3とCX-5ですが、全長や車幅ではどうしても「CX-5」のほうが大きくなります。
狭い駐車場や広さのない道での切り返しなどは、最小小回りが5.3mの『CX-3』のほうが取り回しがしやすく、女性でも運転しやすいといえます。
リアが出っ張っていないのでバックで駐車するときも感覚を掴みやすく、オプションの「360°ビュー・モニター」を装備すれば、より安全に移動することができますね。
チャイルドシートも乗せるなら『CX-5』
赤ちゃんと一緒のお出かけでネックになるのが、車に常時設置するチャイルドシートや積み込むベビーカー、また幼稚園へ通いだすとお布団など、荷物が増えること。
CX-5ならセンターアームレストを挟んで左右ゆったりと座れる広さがリアシートにあるので、片方にチャイルドシートを載せても大丈夫。隣に座っても狭さを感じません。
リラゲッジスペースも「CX-5」のほうが広く、ベビーカーや赤ちゃん用のお布団を積んでもリアシートはまだ余裕があります。
街乗りメインで休日はたまに遠出もしたいなら『CX-3』
普段は街乗りが多いなら、燃費の良い「CX-3」が維持費も安く済むのでオススメです。
「CX-5は大きすぎる」という方でも、車高が1,550mmのCX-3ならほとんどの立体駐車場に停めることができるのも良いですね。たまには県外に遠出したいときも、ほかのSUV車に引けを取らない走りでロングドライブを楽しめます。
アウトドアや車中泊まで楽しむなら大容量の『CX-5』
釣りやキャンプにとアウトドア、そして車中泊を考えると室内が広い「CX-5」なら寝袋を広げてもゆったり過ごせます。
CX-5は、センターコンソールボックスに12V電源ソケットや、スマホの充電ができるUSB端子が2つ付いていたりするなど、車中泊のときに必要となる装備が充実しているのも良いですね。
CX-3にはないパワーリフトゲートは、沢山の荷物であっても積み下ろしも楽にしてくれるのがまた便利。
[myphp file=’car-info2′]まとめ
マツダの人気SUV『CX-3』と『CX-5』の違いについてまとめましたが、ポイントは以下になります。
- 街乗りや通勤中心などで燃費の良さなら「CX-3」
- 家族でレジャーなど荷物を多く積むなら「CX-5」
- 「CX-5」のディーゼルエンジンは「CX-8」と同じものでより性能が高い
- 狭い駐車場でも取り回しが楽なのはコンパクトな「CX-3」
この2台は車幅や車高に違いがあり街の立体駐車場によく停める、主に通勤で乗る場合などは小回りのきく「CX-3」のほうが燃費も良いので有利になります。
逆に、よりSUVらしい力強い走りを楽しみたい、長距離の移動が多いという人は、「CX-5」の方が排気量に見合った加速と安定した走行を楽しめるでしょう。
もちろん車格が大きく、価格も高いCX-5の方がCX-3には無いクルマとしての最新機能も沢山備えています。
価格差だけでは分かりにくい、この2台の比較材料として参考にしてみて下さい。